2001/05/30 (水)
少数意見(前衛と古典)が残っていなければ、次の多数意見が生まれてこない。
日本人の内と外
P118
(山崎)なぜかといいますと、文化が生命を保って働いていくためには、そのなかの小数部分が大事にされなくてはいけないわけですね。前衛の部分と古典の部分です。どちらにせよ、現在の多数意見ではなくて少数意見というものが生きていなければ、次代の多数意見は生まれてきません。そこを切り落としてしまうと、文化は変化を停止して循環をはじめるんですね。民謡、民話、盆踊りなどはすべて、100年たっても変わっていません。これは常にその社会の絶対多数を占めていますから、変わりようがないんですね。少数の部分が残っていてこそ、次の新しい可能性のほうに動いていく力が生まれるんです。