001/06/04 (月)
玉の輿戦略
MINE
人は幸せになるために生きている。そのための戦略には、男と女で決定的な違いがある。
5代将軍綱吉の生母、高台院は八百屋の娘であったという。江戸時代の身分制度からいえば、破格の玉の輿である。江戸時代は一般的に『士農工商』で言われるほど、身分固定的な社会ではなかったという報告があるが、いずれにしても、一介の商人の娘が、最高権力者の母になり、その政治にも影響?を与えたのは間違いない。
むろん、高台院に娘時代から、戦略などなかったであろう。あったのは、だぶん、恐ろしいくらいの美貌と幸運だけだろう。しかし、いったんその可能性が出てきた以上、戦術的な誤りはほとんど犯していないように思える。
また、常識的な判断として、きわめて高度な教育を高大院は受けていたと思えず、さらに何らかの手引書があったとも思えない。数十人、下手をすると3桁の人数による競争を勝ち抜けたのは、ひとえに天性の利発さゆえであった。
女にとって、玉の輿戦略、そしてそれにしたがったここの戦術というのは、ほとんど遺伝子に刻印されたようになじみのある戦略なのだ、
現在の高校生の意識調査によれば、男女を問わず、「幸せな家庭」を築きたいが上位に踊る。これは、今の暮らしがどんなに飛んでいようと、『幸せな家庭』をきづきさえすれば、個人としても『しあわせ』になれると考える10代が厳然と存在することを示している。援交をしていようが、すぐマジ切れしようがそんなことは問題ない。
このことはさらに、現在の10代が女性的な『一発逆転』玉の輿戦略の思想にひきづられていることを示しているともいえる。ある瞬間から、それまでの一切の過去に決別して、いきなり、『しあわせ』になる、あるいはなることができるというのがその戦略の際立った特徴だからである。ここにも、能力も経験も関係ないという基本性質がほのみえる。
今までの暮らし、今の暮らしがどんなに平凡であろうと、あるいは惨めなものであろうと、明日現れるかもしれない王子様によって一瞬のうちに運命が変わる。これがたとえ1%でも現実として起こっているとなれば、それを期待しない人間は人間ではない。
1%の1000分の一にしかならない期待で、人は宝くじを買うのである。
したがって、ここでは、能力、経験は問われない。
むろん、下半身に常識はないので、ルールもない。