2001/06/03 (日)
敗因を調べ、そして、忘れる。
大山康晴15世名人
勝った将棋の検討(反省)は、とくにはしないそうである。敗局についてだけ、それをやる。自宅で盤の上に並べなおし、徹底的にやるそうである。
どの手が悪かったのか。敗因は結局、どれであったのか。そうだ、ここはこう指すのが正しかった・・・というふうに、根掘り葉掘りという態度で調べ上げる。
調べ上げて敗因をつきとめ、『よし、わかった!』となる。
肝心なのは、ここである。『よし、わかった!』と見定めたら、その時点でその敗局のことは、きれいさっぱり、スカッと忘れてしまうのだそうである。二度とその将棋のことは思わない、という。
この『忘れる』ということをやらないと、前向きな姿勢は真に湧いて来ず、従って、せっかくの敗戦が薬として、将来に生きてくることも少ないという。「忘れるから前進できる」というこの命題、どの職業にもどの人生にも、適用できるものであろう。
2009/11/27
本当に完全に忘れてしまいそうで、怖い。