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Title:=失業対策を「福祉」で解決することは”絶対に”できない。
From :=C:\My Documents\TXT\ローマ
Create:=00/07/23 11:55
Udate :=00/07/23 11:55
失業対策を「福祉」で解決することは”絶対に”できない。
331,失業対策を「福祉」で解決することは”絶対に”できない。,1996/12/8," 大規模な農園を兵役に徴用される心配のない奴隷という安定労働力を使って経営するようになれば、収益の増大は目にみえている。おそらく、ローマの国全体からすれば、農業生産は増大したであろう。だが、経済的によいことは社会的にもよい結果をもたらすとは限らない。それは、借金のかたに取られたり価格競争に敗れて手放したりして土地を失った、元自作農の失業者の出現だった。
彼らは、富の集中する首都ローマに流れ込んだ。研究者たちの推計によれば、ローマの人口の7パーセントにも及んだというから、これはもう立派に社会問題である。
といって、福祉を充実させれば解消する問題ではない。失業者とはただ単に、職を失ったがゆえに生活の手段を失った人々ではない。社会での自らの存在理由を失った人々なのだ。終日、樽の中に寝ていても人間の尊厳を保てた哲学者ディオゲネスのような人物は、あくまでも少数派である。多くの普通人は、自らの尊厳を、仕事をすることで維持していく。ゆえに、人間が人間らしく生きていくために必要な自分自身に対しての誇りは、福祉では絶対に回復できない。職を取り戻してやることでしか、回復できないのである。
ローマの「失業者」にたいしても、プロ",ローマ人の物語Ⅲ p38,,,,人間,,,,自分学