Group:=terra 未分類
Title:=バイキング着陸時と異なる火星の気象
From :=バイキング着陸時と異なる火
Create:=00/09/10 10:13
Udate :=00/09/10 10:13
入手先URL=http://www.nt-i.co.jp/science/hst/97/15.htm
バイキング着陸時と異なる火星の気象
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1997年3月、地球と火星が最も接近した時期に撮影された写真です。このときのハッブル宇宙望遠鏡と火星との距離は約1億キロメートルで、長さ22キロメートルまでの火星表面の特徴を見分けることができました。左のカラー写真は赤と緑と青のフィルターで撮影された写真を合成してつくられており、実際の火星表面の色に近くなっています。白く見えているのは、細かい氷の粒からなる雲です。この時期の火星は太陽から最も遠い位置にありました。太陽の光が弱いために大気が冷え、その結果、水蒸気が氷の粒になり、白い雲が発生するのです。1976年にバイキング探査機が火星に着陸したときには、火星には砂嵐が吹き荒れていました。しかし、マース・パスファインダーが21年ぶりに着陸しようとしていたこの時期の火星は、氷の雲がかかる冷たい環境にあったのです。写真の左には、太陽系で最大の火山である巨大なオリンポス山と、タルシス高地に直線状に並ぶ3つの火山が雲の間から顔をのぞかせています。右下の暗い部分はマリネリス峡谷です。北極には水の氷とドライアイスからなる白い極冠が見えています。
右のモノクロ写真は、青のフィルターだけの写真で、大気の様子が細部までわかります。この写真で興昧深いのは、北極を取り巻きながら蛇行する大気の流れが黒く見えていることで、同じような大気の流れは地球にも見られます。