Group:=terra 未分類
Title:=大移動によってローマは滅びたのではない。
From :=C:\My Documents\TXT\ローマ
Create:=00/07/23 11:53
Udate :=00/07/23 11:53
大移動によってローマは滅びたのではない。
学校で教えるローマ史では、紀元5世紀に帝国が滅亡したのはあの時期に起こ
った蛮族の侵入が原因であったような印象を与える。だが、これは完全な誤解
である。
共和制・帝政を通じてのローマ全史は、蛮族の侵入の歴史と完全に重なり合う
といってよい。主とローマにまで侵入された紀元前390年から、ローマが再び
蛮族に蹂躙される紀元後410年までの800年をローマが持ちこたえることが
出来たのは、一にも二にも、防衛力が健在であったからである。
事実、「大移動」とさえ呼ばれる規模であった紀元5世紀の蛮族の侵入に際して
も、東ローマ帝国のほうは崩壊をまぬがれている。コンスタンティノープルを
首都とする東ローマ帝国では、防衛システムが機能していたらである。大移動
する蛮族も、この東ローマ帝国は避け、防衛システムが機能しなくなっていた
西ローマ帝国に襲いかかったのである。