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Title:=50,競争原理 アジアの公害,1997/9/3 0:00:0
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Create:=00/07/22 19:42
Udate :=00/07/22 19:42
50,競争原理 アジアの公害,1997/9/3 0:00:00,武士・・日本人の原型体質といっていい・・という競争原理の権化が作った日本歴史及び日本国家というものは社会の固定をむしろのぞむアジアの諸民族・・中国とインドをその代表とする・・にとってじつに荷厄介で奇妙で、さらにあえて言い切ってしまうと、それそのものがアジア的規模での公害として存在し続けたというような国なのである。,街道をいく2 p141,,,,,,,,歴史
51,日本の国外膨張 天智天皇,1997/9/3 0:00:00, 日本の場合、天智帝の外征というのは戦略的にも愚劣そのもので、天智帝その人を考えても、とてもアレクサンダー大王やジンギス・カンと言ったタイプではなく、詩人としての才能はあっても政治家としては人に躍らされやすく、性格の特徴としては派手ずきな一面があるかと思えば、異常なほどに臆病で、とうてい世界政略の上に立って戦略が考えられるような英雄的資質の人ではなかった。,街道をいく3 p137,,,,,,,,歴史
52,日本の国外膨張 豊臣秀吉,1997/9/3 0:00:00, 16世紀の末に、豊臣秀吉の晩年、大明国へ打ちいると呼号して朝鮮半島に大規模な出兵を敢行し、失敗した。秀吉のこの時期、彼はすでにそれ以前の彼のような英雄的資質はなく、単に老人性パラノイアとしての病的典型人にあるに過ぎなくなっていた。むろんこの老人性パラノイアの人がやったいわゆる朝鮮の役には世界情勢を分析したあげくに樹立した世界政略などはなく、自然そこから導き出される戦略というものもなく、ただ勢いにまかせて玄海灘を押し渡っただけの戦争であった。,街道をいく3 p138,,,,,,,,歴史
53,日本の国外膨張 太平洋戦争,1997/9/3 0:00:00, 三番目は太平洋戦争である。この英雄的膨張期にも、右の二例と共通した暗い定則が支配している。つまり指導者軍がことごとく庸人であったこと、堅牢な世界政略を持たなかったこと、そして、自然、戦略といえるほどのものをついに開発しえなかったこと、などの点において共通している。
要するに日本歴史というものは国内統一をする場合に英雄が出る。源頼朝とか織田信長、前期の豊臣秀吉、そして徳川家康、あるいは討幕革命政略における西郷隆盛といったような、他の国の歴史に類型の少ない人物が出るが、この民族の歴史にまれにあらわれる海外への膨張気運の起こる時期には、その時期の好戦的指導者は必ず凡庸なお調子者に過ぎなかったという実に不思議が法則をもっている。
戦後の日本の社会科教科書はヒトラーやムッソリーニを呪い嘲るが、しかし、ヒトラーやムッソリーニすら持たずにそれとそっくりの似た真似をした昭和前期の日本というものの不思議さを解明した教科書があるだろうか。,街道をいく3 p138,,,,,,,,歴史
54,日本人の海外膨張後の態度,1997/9/3 0:00:00, 日本史におけるこの民族の海外膨張が堅牢な世界政略を持たず、むしろ村の祭礼に似て、見越しを担いだ若衆がいきおいのあまり隣村に踏み込んで吠え散らかしているのと本質において少しもかわりがなかったように、(中略)あくまでも時の勢いに乗っただけであり、統制力と計画力を持った英雄の出現によるものではなかった。
だから時勢がおさまると
「入りて之を守る」
という風に(中略)、引っ込み、「悪い夢を見た」と言ったふうに(中略)
太平洋戦争の後の日本国に実に似ている。,街道をいく3 P139,,,,,,,,歴史